笑う門には、福来たる。
笑う門には、福来たる。
今日はメリークリスマスですね。
クリスマスといえば、大吉にはいつも思い出す出来事があります。
大吉は、4人兄弟の3番目です。8つ上の空手有段者の兄と、空手経験のある超体育会系の4つ上の姉の下、年功序列を地で行くような雑用係としての子ども時代でした(笑)
そんな大吉にも、1年で2度だけ、わくわくする日がありました。
一つは誕生日。
もう一つは、クリスマス。
大吉が物心をついたとき、我が家では、
クリスマスのプレゼントは決して姿を見せないサンタさんが、姿を見せずに置いていくものでした。なので、幼稚園にサンタさんが現れた時、本能的に『偽物だ』と感づいてしまう子でした。
街にあふれる偽サンタ!本物ではないと知っているのです。そして、本物を決してみたことはないにもかかわらず、信じていました!
『サンタさんはいる!』と
幼稚園を卒園し、小学校に入りました。
物心がついて、何回目かのクリスマスになっていましたが。
なかなか、大吉はサンタさんに出会うことはできませんでした。
母親からは
『サンタさんは忙しいからね~。世界中を一人で回らないといけないから~』
と、
にゅーすを父親と見るくらい、マセタ子どもだった大吉は
自分が住んでいる街だけで10万人の人がいて、
日本だけでも1億2000万人の人がいて、
世界中に50億人(当時)もの人がいることを、、、知っていました。
だから、優しいサンタさん思いの大吉は、自然と母親の言葉を信じていました。
「うん。そうだね。僕だけのサンタさんじゃないから」
でも、毎年毎年、姿も見せず音も立てずに、プレゼントだけは必ずちゃんと置いていくサンタさんに、大吉はとてもとても会いたくなっていました。ちゃんと会ってお礼を伝えるんだと。瞳は夜空に輝く星々のように輝いていたことでしょう。
前の年に、2階のベランダにプレゼントが置かれていたからと、
次の年には、澄んだ夜空に輝く星々を眺めながら、ベランダで一晩中、空からトナカイにひかれたソリと、サンタさんがやってくるのを待っていました。
・・・その年、サンタさんは2階のベランダには来ずに、1階の玄関にそっとプレゼントを置いて去って行きました。
学習能力のある大吉です。去年はベランダに来たからと、次の次の年は、ずっと玄関の外で待っていました。「玄関なら、玄関に来たのもわかるし、空から来てもわかるから。」と
家族一同、温かいリビングでテレビを見ている中、ただ一人大吉はサンタさんに直接お礼が言いたくて。ずっと待っていました。
でも、その年、サンタさんは時間がなかったのか、大吉と会ってはくれませんでした。サンタさんは、家の裏手のほうから来たのか、音も立てずにまた、2階のベランダにプレゼントを置いていってくれました。
3年目、
学習能力のある大吉です。どうしてもサンタさんにお礼が言いたいので、大吉は考えました。どうしたら「空」と「地上」、両方の監視ができるか?必死に考えました。自衛隊のレーダーサイトの技術者になれるのではないかというくらい考えました。
出した答えは、その年は、玄関と、ベランダの両方を眺められる1階の屋根に陣取る。
・・・プレゼントはその屋根からは見えない。ちょうど反対側に位置する部屋に置かれてました。
このように、大吉と『サンタさん』との二人だけのかくれんぼ、は大吉がハタチになるまで未来永劫にわたって続くものだと信じていました。
しかし、この、1年に1度だけのかくれんぼはある日突然終わりを迎えます。
小学5年生の12月のある日のことでした。
大吉が入っていたスポーツ少年団の片づけ時、ひょんなことからクリスマスの話になり、サンタさんの話になりました。大吉は「チームの半分くらいは信じてるんちゃうかな~」と思っていました。
そしてつきつけられる現実!
チームの中で、サンタさんの存在を信じているのは自分一人という事実。そして、聞こえる皆の笑い声。
母に聞くと返ってきたのは悲しい『台本』と『配役』の内幕
その日、サンタさんの存在を信じるピュアな少年が一人。『現実』という魔物に消された日となりました。
チャンちゃん ( ^ω^ )