ところで市場って必要なの?

こんばんわ大吉です。

 

ちょっと今日は遅めですが、何とかギリギリセーフといったところでしょうか。

今日は連日の農協シリーズからちょっと意外な既存流通の(農家的)メリットについて語ります。

題して、

 

ところで市場って必要なの?

 

さて、既存流通に関して、農協以外に欠かせないプレイヤーが一人、中央卸売市場(ちゅうおうおろしうりいちば)というものがあります。一般には『市場(しじょう)』とだけ呼びます。

 

今年、春からずっとホットな話題、「築地移転問題」の『築地』も市場の一つ、魚が多いですが、野菜も扱ってます。

青果(野菜や果物)の場合は同じ東京でも『太田市場』のほうが取扱額も多いですし、有名ですけど、、、

 

この中央卸売市場は、『中央』と言いつつ結構全国に散らばってますので、「『国』の中央卸売市場」というより、「『その地域の』・・・」とフランクに感じ取ってもらったほうがイイですね。

 

さて、この市場ですが、大きな機能は3つあって

安定的な供給のための場

価格決定の場

安全担保の場

 

①は、②とも重なるのですが、市場というのは大量の産物が売り買いされていきます。当然そこでの価格は『需給バランス』によって左右されます。

たとえば、『カントウ中央卸売市場』で大根があふれかえっており、逆に『カンサイ中央卸売市場』で大根が品薄だったとします。

すると、関東の消費者は大根があふれ買っているので安く買える可能性がありますが、一方で、関西の消費者はメチャメチャ高い大根しか売られていないという事態になります。

こんな事が日常では、一般の皆さんが困りますよね?

もちろん、農家的にもこの値段が1本100円で売れ続ければいいですが、もし、10円で安売りが続くということは避けたい。

ということで、市場が取引情報をオープンにして、産物の安定的な供給を果たそうとしているのです。

 

②は、上に説明したことがメインですが、

直接農家さんが販売する(直売をする)ときに、今の時期、大根がいくらだったら、お客さんに安いと感じてもらえるのか?100円でないとダメなのか。もうちょっと欲を出して150円でも買ってもらえそうなのか?

を判断するためにも役立っています。

 

③は意外かもしれません。

実は、市場というところは取り扱う量が多いからこそ、非常に高価な『残留農薬検査』をすることができます。この検査、実は結構高くて、ランクにもよりますが、一回当たりン万円が簡単に吹き飛びます。とても一農家ではできません。

なので、サンプリング検査と言って不作為に目の前の野菜を抜き取って検査を行います。検査に引っ掛かった野菜は出展者の段階(だいたい農協)ですべてストップされ、出展者のほうで原因調査されます。コレたまに新聞やスーパーの売り場に張り紙でのったりします。

 

ちなみに、皆さんが『新鮮』で『安全』とか思いこんでいる直売所のお野菜・・・こんな検査をしていないことが普通ですから、違法な農薬の残留があっても気づきません!!

ココは農家さんの良心に頼るだけorn

 

 

さらに!

ここで、農家的市場と付き合うメリットその④を発表しちゃいます~~!

それは、『買い支え』!!です。

農産物は天候に左右をされますので、当然豊作不作があったりします。不作の時には売るものがそもそもなかったり、高値が付いたりするのでイイのですが、大変なのは豊作の時です。

みなさん、社会の教科書で畑に育っているキャベツがトラクターにつぶされているシーンを覚えていますか?

 

アレ!野菜の値段が安すぎて出荷すると今までの経費に上乗せで運賃段ボール代がさらに赤字の出費として農家に降りかかるときにされているものです。

 

そんなときは、国から補助金が降って救済したりしますが、

実は、市場もその救済をする時があるんですね♪通常だったら値段もつかないのですが、市場と、大手の仲卸さんなんかが話し合いをして、『仮の値段』を付けて農家に支払ったりするわけです。

実際そんな時は市場を運営している会社なんかもボーナス全カットだったりするそうです!

 

こんな感じで、番外編『ところで市場って必要なの?』でした!

最近では、GMと呼ばれるように小売店がマンモス化してきて(イOンとか、イト―Oーカドーとか)、

生産者と直接契約をしていたり、自前で安全性検査とかをしているので、市場の役割は低下していますし、時には『余計な中間マージン』扱いをされている『中央卸売市場』ですが、マダマダ捨てたもんじゃないでしょ?